SDGsの取り組み

2023.07.28

厚真町森林再生プロジェクト Vol.1

 

今年5月に始動した、北海道胆振東部地震で被災した森林の再生へ向けた取り組みに関して、SDGsの取り組みでも定期的に情報を発信させていただきます。
まずは、このプロジェクトに至ったきっかけを、ご紹介させていただこうと思います!
(厚真町との協定に関する詳細は、こちらをご覧ください!)

―災害復旧の課題を知る―
2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震から、約4年が経過した2022年夏。
ロンタイ札幌支店の担当者が、北海道大学の厚真町森林再生研究フィールドを訪問したときのこと。
こちらの現場で研究を進められている北海道大学農学研究院 森本 淳子准教授は、自然災害により破壊された森林を、現地に残された植物を活かすことで再生・回復させるために、様々な取り組みを行っておられます。
 森本准教授の研究の詳細に関しては、こちらをご覧ください。
 日本緑化工学会誌 2023年48巻3号
 北海道大学 リサーチタイムズ

今回の研究では、ロンタイの資材を活用していただいており、そのご縁でご訪問させていただきました。
そこで、まだ復旧の手が回っていない現場が、数多く残されていることを知ったのです。
裸地のまま風雨にさらされたことで、ガリ侵食も多数発生しており、このままでは自然な植生回復にかなりの年月が掛かることが予想されました。

災害復旧は、民家や道路周辺などの、人命や生活に直結する現場から優先的に進められます。
限られた予算の中で、緊急性の低い現場が取り残されている現状を目の当たりにしました。
また、同時に、このような現場の再生に向けて取り組んでいる研究機関や、民間企業の存在を知り、ロンタイにも、長年培ってきた緑化のノウハウを生かして、何かできることがあるのではないかと考えました。

―必要なのは、新しい工法-
厚真町の担当の方にお話を伺ったところ、土砂崩れの規模に対して予算が限られるということや、勾配が急であるため、従来の林地再生が適用できない現場も多いことを知りました。
また、できるだけ環境に優しい分解型の素材や、北海道産植物の使用を希望されていることも伺いました。
ロンタイの通常の製品による緑化では、予算の兼ね合いもあり対応が難しいため、従来製品にないアイデアを組み合わせて、新しく工法を作り出す必要があると感じました。

―社内アイデアが集結、厚真町との協定締結へ―
そこで、社内でアイデアを募集したところ、想定以上の数のアイデアが集まったのです。
研究開発や営業だけでなく、生産や管理など普段施工には関わる機会が少ない部署からも多数応募があり、工法提案だけでなく、不足している予算や人手のカバー案など、様々な切り口のアイデアが集まりました。

その数、実に60件
1冊のファイルにまとめたところ、そのボリュームに、厚真町の担当の方々はとても驚かれていました。
集まったアイデアの中から複数のアイデアを組み合わせて試験施工案を作成し、そして、今回の協定が実現することとなったのです。

近年、地震だけではなく、台風や豪雨など様々な自然災害に起因する土砂災害が、全国で発生しています。
特に、災害が広範囲に渡る場合、優先度合いや予算、人手など様々な事案を考慮しながら、継続的に復旧を進めることが重要になります。
今回のプロジェクトにより、災害復旧にお悩みの全国各地の現場に貢献できるよう取り組みを進めていきたいと考えております。

5月には第一回目の試験施工を完了いたしました!
また次回、その模様をご報告させていただきます♪

 

 

 

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